アートイベント

さどの島銀河芸術祭2024

会場
佐渡島内複数箇所
会期
8/11(日)〜11/10(日)

さどの島銀河芸術祭 ポスター画像

さどの島銀河芸術祭2024 メインヴィジュアル:Designed by UKAWA NAOHIRO(DOMMUNE)

伝統芸能と現代アートで歴史をつなぐ、
島民たちが始めた芸術祭

アートをによる新たな観光需要の創出を目指して、2016年にスタートした「さどの島銀河芸術祭」。『過去と未来の帰港地』を基本理念に、島民たちの発案から生まれた芸術祭だ。自然災害や感染症の流行など、未来が見通せない不透明な世界情勢の中で、この芸術祭は人々が『どう生きるのか?』を考えるきっかけを作り、島の自然や人々とアートの共存を目指している。

北鵜島の海岸 画像

北鵜島の海岸

これまでの「さどの島銀河芸術祭」は、日本海最大の離島・佐渡島を舞台に、島の文化や地域資源、歴史や民俗を現代アートと融合させた実験をしてきた。「新しい伝説や、新しい民話が歴史の有無に関わらず、プロジェクトが人の心に深く刻み込まれることで、忘れられないものとして変化していくこと」。これをミッションに掲げた地域密着型芸術祭が、今年で2回目の開催となる。

他の芸術祭の多くが行政主導でおこなわれることが多い中、「さどの島銀河芸術祭」はアートイベントの運営が未経験の島民の有志たちが集まって、離島から世界に向けて現代アートを実験的に発信してきたという、まさに手作りの芸術祭。その根底には、アートの力で佐渡島のそれぞれの地域の魅力、そこに暮らす人々との交流を広く伝えたいという思いがある。

前回の2021年は、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響が予想よりも大きく、見込んでいた来客数、各社の協賛、行政、省庁の補助金も大幅に減額となり、運営費用の圧縮を余儀なくされた。今年も、観光庁からのヒアリングの機会を設けられ、佐渡の国際野外フェスティバル「アース・セレブレーション」のエリア拡大と期間延長の申請を一度は採択されたが、その後実質打ち切りとなった。このままではさらに累積赤字が膨らみ、経済的に苦しい状況が続くことが予想されるため、今回はクラウドファウンディングで支援を集めたところ、約120万円の資金を得るなど、「さどの島銀河芸術祭」はじわじわと人々の注目を集めている。

 

「どんぶらこっこどんぶらこっこ」できやよい 画像

「どんぶらこっこどんぶらこっこ」できやよい

「Enso_Lifecycle」イーサン・エステス 画像

「Enso_Lifecycle」イーサン・エステス

佐渡島には、かつて北前船(*)が物資以外に文化をも運んできた歴史がある。国内有数の金の産地としても栄えていた時代があり、国際的な影響も有していた。この佐渡島には、独自の生活様式や日本文化がたくさん残されており、能や鬼太鼓をはじめとする独特な伝統芸能が伝承されているだけでなく、歴史的建造物などの遺構も多い。
(*)江戸時代中期ごろから明治30年代にかけて、大阪と北海道を日本海経由で往来していた商船の総称。

佐渡の伝統芸能「鬼太鼓」 画像

佐渡の伝統芸能「鬼太鼓」

この芸術祭では、島内の歴史的建造物や公共空間、学校などを会場として、国内外のアーティストによる作品展示やパフォーマンスを鑑賞できる。前回はテリー・ライリー、鼓童、灰野敬二などが参加し、大自然の中での食・映像・音楽の融合した体験型アートイベントや、落合陽一、日野浩志郎(YPY)と石原只寛を招いた地域芸能×現代芸術のパフォーマンスライブなど、ユニークな試みがおこなわれた。

今回もまた、佐渡島の自然や歴史、点在する民話や伝承を掘り起こしながら、島内外のアーティトたちが媒介となることで、「銀河」のようなきらめきや美的価値観が創造される場となるだろう。この芸術祭は、われわれ人間が自然・宇宙の一部の存在として生きていることを実感する、絶好の機会となるに違いない。

 

会期中イベント

●DOMMUNE Presents「LANDSCAPE MUZAK」PROJECT SADO♯3
灰野敬ニ x DOMMUNE「黒い能舞台」(仮)

2021年 FRACTAL CAMPでの灰野敬二のパフォーマンスの様子  画像

2021年 FRACTAL CAMPでの灰野敬二のパフォーマンスの様子

伝統建築物である佐渡島の神社で、能や地域食を交え、ミュージシャン灰野敬二によるサイトスペシフィックなアート作品の発表と、特殊な音響装置でパフォーマンスがおこなわれる。
日時:9月7日(土)
会場:両津エリアの神社(調整中)
料金:3,300 円(予定)
チケット販売場所
[オンライン]アソビュー、ArtSticker、ローチケ
[店頭販売]各観光案内所、TAACHI(佐渡市両津夷53−1)

●佐渡島×台湾 交流イベント
佐渡島内で活動しているダンサーや伝統芸能団体と、台湾より招聘するアーティストや伝統芸能団体が一堂に介し、パフォーマンスを披露することで、国内外の交流を深める。
日時:9月29日(日)
会場:調整中
料金:無料

●シンポジウム
アートを活用した地域課題の解決や、離島での新しい芸術祭、文化・芸術のあり方について、これまでの取り組みや、佐渡の歴史上の文化人、民俗学研究の例などをテーマに、スピーカーとオーディエンスが対話形式で導き出すシンポジウムがおこなわれる。
日時:9月22日(日)
会場:智慧海山勝廣寺(佐渡市両津湊199)
料金:無料
登壇者:門田岳久(立教大学観光学部交流文化学科准教授)・椹木野衣(多摩美術大学 芸術人類学研究所所員・さどの島銀河芸術祭アドバイザー)・小川弘幸(文化現場 プロデューサー・新潟市芸術創造村・国際青少年センター 文化事業ディレクター・さどの島銀河芸術祭アドバイザー)・池田哲夫(新潟大学名誉教授・佐渡博物館館長)・本間大樹(元IKKI編集長・現フリーライター)・吉田盛之(一般社団法人 佐渡国際芸術推進機構 代表理事・さどの島銀河芸術祭総合プロデューサー・美術家) ほか

[information]
さどの島銀河芸術祭 2024
・会期 8月11日(日)〜11月10日(日)
・作品鑑賞時間  8月・9月/10:00〜17:00、10月・11月/10:00〜16:00
・休祭日 火曜日、水曜日(※祝日除く)
・会場 佐渡島内複数箇所
・料金 一般:前売2,500 円/当日3,000 円、高校生:前売1,300 円/当日1,500 円、小中学生:前売800 円/当日1,000 円、小学生未満無料
・チケット販売場所
[オンライン] アソビューArtstickerローチケ
[店頭販売] 各観光案内所、TAACHI(佐渡市両津夷53−1)
・TEL 0259-67-7657
・URL https://sado-art.com

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