有名画家の作品だけでなく、
知る人ぞ知る
隠れた名匠の作品も紹介。
スイスのジュネーヴにあるプチ・パレ美術館は、19世紀後半から20世紀前半のフランス近代絵画を中心とする豊富な美術作品を収蔵している。
プチ・パレ美術館は1998年から現在まで休館しているが、今回、日本でコレクション展が開催されることになった。世紀転換期のパリでは、多くの画家たちが実験的な表現方法を探究し、さまざまな美術運動が展開された。プチ・パレ美術館の特徴は、ルノワールやユトリロなどの著名な画家たちに加え、才能がありながらも、あまり世に知られていなかった画家たちの作品も数多く収蔵していること。この展覧会では、同館の多彩なコレクションから38名の画家による油彩画65点を展示し、印象派からエコール・ド・パリに至るフランス近代絵画の流れを紹介する。
この展覧会には、SOMPO美術館所蔵作品からピエール=オーギュスト・ルノワール《浴女》および《帽子の娘》も出品される。この2点と同じく同館所蔵のフィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》は、注意事項遵守の上で撮影可能だ。
展覧会の見どころ
1. 現地では見ることのできない貴重なコレクション展
スイス プチ・パレ美術館は1998年に休館して以降、現在も一般には公開されていない。そのため本展は、現地でも見ることのできない傑作を鑑賞することのできる貴重な機会なのだ。
2. フランス近代絵画の重要な美術運動をすべて網羅
19世紀後半から20世紀初頭のパリでは、印象派、新印象派、ナビ派、フォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリという新しい絵画の動向が次々と現れた。この展覧会は、全体を6章に分けてそれぞれの絵画動向の特徴を分かりやすく紹介するものである。
3. パリが最も華やかだった時代の絵画が集う
近代都市パリで華やかに展開した芸術運動は、一握りの巨匠たちだけではなく、数多くの画家たちによって周辺から支えられていた。新しい絵画様式の先駆者や、枠に収まらない個性的な画家など、あまり知られていない画家たちの作品も紹介されるのが、この展覧会の特徴だ。
スイス プチ・パレ美術館について
1968年に実業家オスカー・ゲーズ氏(1905-1998)のコレクションを公開することを目的に設立されたスイス プチ・パレ美術館。欧米で工業用ゴム製造の事業を展開し、成功したゲーズ氏は、事業経営のかたわらで美術品の蒐集を始めた。1950年代、相次いで家族を失ったことをきっかけに、ゲーズ氏は事業を売却し、その情熱を美術に傾けるようになったという。
プチ・パレ美術館のコレクションは、19世紀末から20世紀初めにパリで制作されたフランス近代絵画を中心としたもの。そこには、もっぱら自身の審美眼により作品を選んだゲーズ氏の信念が強く反映されている。有名な画家の高価な作品を集めるのではなく、過小評価されてきた画家たちを発見し、世に出すことに責任感を見出したのだ。二度の世界大戦を経験し、波乱に満ちた人生を送ったユダヤ系のゲーズ氏。そのために、プチ・パレ美術館の活動の基盤には、「平和に奉仕する芸術」という信条が掲げられている。
[information]
スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ
・会期 2022年7月13日(水)〜 10月10日(月)
・会場 SOMPO美術館
・住所 東京都新宿区西新宿1-26-1
・時間 10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
・休館日 月曜日(ただし7月18日、9月19日、10月10日は開館)
・観覧料 当日券/一般1,600円、大学生1,100円、小中高校生・障がい者手帳等をお持ちの方は無料
※日時指定予約は不要(展示室内が混雑し、一定の人数を超えた場合は入場制限を行う可能性あり)
※事前購入券あり(一般1,500円、大学生1,000円/詳細は下記の公式サイトを参照)
・TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
・URL https://www.sompo-museum.org