地元旧家のコレクションを中心とした
江戸から現代までの日本の絵画、工芸作品を
特色あるテーマによって紹介する。
栃木県南西部に位置する佐野市。この地で2002年に葛生町立吉澤記念美術館として生まれた美術施設は、佐野市・田沼町・葛生町の合併に伴って2005年には佐野市立吉澤記念美術館となった。
同館コレクションの基礎となったのが、地元の旧家・吉澤家が代々収集してきた美術工芸品の数々。伊藤若冲《菜蟲譜》をはじめ、江戸から現代までの日本の絵画、板谷波山ら近現代の陶芸など、豊富な内容で構成されている。
この美術館では開館以来、日本の美術を親しみやすい視点で紹介する収蔵品展を継続的に企画・開催してきた。そして開館20周年を迎えた今年、貴重な吉澤コレクションを、特色あるテーマにより2回に分けて紹介する「コレクション選展」を開催。第一弾は現在開催中のコレクション選展1「タキコレ―滝の美術―」(7月3日まで)。「滝」をテーマに、初公開となる小杉放菴(未醒)の《瀧十題》(「瀧十趣」)などが展示されている。
続く第二弾が、7月16日から始まるコレクション選展2「ヨルコレ―夜の美術―」である。テーマは「夜」。夜空に浮かぶ月、夜に咲く花、夜を過ごす人々など、コレクションの中から夜が舞台の絵画・工芸作品を集めて紹介する。
彩磁作家・齊藤勝美(宇都宮市出身)の代表的なモチーフである月下美人の作品を特集するほか、夜にまつわる夢や闇夜を照らす灯の光、夜明けがテーマの作品もあわせて展示。いつもとは異なる幻想的な夜の美術館を楽しんでほしい。
[information]
開館20周年記念・収蔵企画展 コレクション選展2「ヨルコレ―夜の美術―」
・会期 2022年7月16日(土)~ 8月28日(日)
・会場 佐野市立吉澤記念美術館
・住所 栃木県佐野市葛生東1-14-30
・時間 9:30〜17:00
※8月11日(木・祝)はナイトミュージアムで19:00閉館
・休館日 月曜日(ただし7月18日は開館)、7月19日(火)、8月12日(金)
・観覧料 一般520円 ※支払いは現金のみ
※障害者手帳等をお持ちの方とその介添者1名・大学生以下無料(要障害者手帳等・学生証の提示)
※団体以外は来館予約不要。混雑状況によっては入場制限を行う場合あり
※ナイトミュージアムを実施する8月11日(木・祝)の17:00〜19:00は観覧料無料
・TEL 0283-86-2008
・URL https://www.city.sano.lg.jp/museum/
●開館20周年記念・収蔵企画展 コレクション選展1「タキコレ―滝の美術―」の会期は7月3日(日曜日)まで