良質な陶磁器を所蔵することで知られる松岡美術館の創設者であり、初代館長である松岡清次郎は若いころから書画骨董を愛し、生涯をかけて一大コレクションを築いた。自らの感性のおもむくまま、時には「日本にまだないものを」と選び抜かれた美術品は、1,800件あまりにのぼる。本展は松岡美術館の2年8か月ぶりの再開を記念し、東洋陶磁・日本画・西洋彫刻の3つの企画を通して松岡コレクション屈指の名品が展観される。
コレクションの3割を占める陶磁器作品の中から、選りすぐりの東洋陶磁によって蒐集の歴史を振り返る企画展1「館蔵 東洋陶磁名品選 松岡清次郎の志をたどる」。美術館設立のきっかけとなった景徳鎮窯の名品『青花龍唐草文天球瓶』『青花双鳳草虫図八角瓶』は、約7年ぶりの同時出品となる。
企画展2「館蔵 日本画 花鳥風月」では松岡清次郎が特に気に入っていた横山大観『梅花』をはじめ、花鳥風月に美を見出した日本画を紹介。室町時代の水墨画から、江戸時代の酒井抱一、近現代の渡辺省亭らの花鳥画を中心に、鏑木清方の美人画や川合玉堂、山口蓬春らの名品が一堂に会する。後期展示予定の伝 周文『竹林閑居図』は、賛に「周文」の名が記された貴重な作品。2015年に重要文化財の指定を受けた後、2年に渡る修復を経て初めて公開される本作にもぜひ注目してほしい。
新たに常設展示となる『アルテミス』にあわせ、『アフロディテ像』『アレキサンダー大王胸像』『ヘルメス頭部』など、古代ギリシア・ローマの大理石彫刻8点が出品される企画展3「古代ギリシア・ローマ大理石彫刻展」。個性豊かな神々や彫像に刻された人物から、古代西洋の息吹を感じることができるだろう。
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再開記念展 松岡コレクションの真髄
企画展1 館蔵 東洋陶磁名品選 松岡清次郎の志をたどる
企画展2 館蔵 日本画 花鳥風月
企画展3 古代ギリシア・ローマ大理石彫刻展
・会期 2022年1月26日(水)〜4月17日(日)
※「企画展2 館蔵 日本画 花鳥風月」のみ、3月8日(火)より展示作品の入れ替えあり。
・会場 松岡美術館
・住所 東京都港区白金台5-12-6
・電話 03-5449-0251
・時間 10:00~17:00(入館は16:30まで) 第1金曜日 10:00〜19:00(入館は18:30まで)
・休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
・観覧料 一般1,200円、25歳以下500円、高校生以下・障がい者手帳をお持ちの方は無料
・URL https://www.matsuoka-museum.jp/