明治期を代表する浮世絵師、小林清親は“最後の浮世絵師”とも呼ばれ、明治生まれの若い芸術家たちに大きな影響を与えた。淡く明るい色調や光と影、天候や時間をも表現した、まるで水彩画のような東京名所シリーズは“光線画”といわれ、人々の絶賛を浴びたのだ。それ以降も、戦争画や歴史画をはじめ、カリカチュア、戯画などを描き続けた。
練馬区美術館は、2015年に清親の没後100年を記念して開催した「小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」が機縁となり、その清親の作品や資料、遺品約300件の寄託を受けることとなった。
本展は、2015年に開催された展覧会のサプリメント(増補)として「画家の肖像」「光線画の衝撃」「清親作品の源泉、スケッチブックと下絵」「未公開の画業」「清親の肉筆画」「画家の身の回り」といった構成で展観される。世に「小林清親写生帖」として知られるスケッチブックをはじめ、初公開となる下図や肉筆画、印章などの貴重な作品・資料にも注目してほしい。
[information]
収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-
・会期 2021年11月23日(火・祝)~2022年1月30日(日)
・会場 練馬区美術館 2階展示室
・住所 東京都練馬区貫井1-36-16
・時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
・休館日 月曜日
・観覧料 無料
・URL https://www.neribun.or.jp/museum.html