千葉市美術館では清水九兵衞、七代清水六兵衞の生誕100年を記念して、初の回顧展が4月13日より開催される。
東京藝術大学で鋳金を学んだ後、六代清水六兵衞の養嗣子となり陶芸家としての道を歩み始めた清水は、1950年代から60年代にかけて頭角を現し、陶芸家としての評価を高めた。しかし60年代後半になると、自身の中で「もの」と周囲の空間に対する関心が深まり、アルミニウムを素材とした抽象彫刻作品を発表するようになる。現代彫刻家・清水九兵衞の誕生である。この頃は一時的に、作陶から離れて彫刻の世界で活動。世界的に名が知れ渡ることとなった。
その後、清水は先代の死を受けて七代六兵衞を襲名し、陶芸を再開。土という素材の性質や焼成によるゆがみを意図的に用いた作品を発表した。さらにその経験を、陶とアルミを組み合わせた作品や、最晩年の和紙やクリスタルガラスによる作品群に援用し、清水九兵衞/六兵衞として新たな造形を示した。
陶芸と彫刻、その“はざま”を行き来した清水。この展覧会ではそんな彼が九兵衞を名乗る以前に制作した陶芸作品など貴重なものも展示されており、それぞれの表現領域の源流となった作品群、そしてその後の唯一無二の九兵衞/六兵衞作品の世界を一挙に楽しむことができる。ぜひこの機会に千葉市美術館へ足を運んでみてはいかがだろうか。
[information]
生誕100年 清水九兵衞/六兵衞
・会期 2022年4月13日(水)~7月3日(日)
・会場 千葉市美術館
・住所 千葉市中央区中央3-10-8
・電話 043-221-2311
・時間 10:00~18:00(金曜・土曜は20:00まで)※入場受付は閉館の30分前まで
・休館日 5月2日(月)、6月6日(月)/休室日 5月23日(月)、6月20日(月)
・観覧料 一般1,200円、大学生700円、小・中学生、高校生無料
※市内在住65歳以上は960円
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
・URL https://www.ccma-net.jp