美術館

笠間日動美術館 奥谷博記念室 開設 

会場
笠間日動美術館
会期
4月1日(土)〜

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奥谷博《底力》2021年 181.8×227.3cm

《底力》2021年 181.8×227.3cm

茨城県笠間市にある笠間日動美術館は、日本を代表するギャラリーである日動画廊の創業者・長谷川仁が、1972(昭和47)年に郷里の茨城県笠間市に私財を投じて設立した美術館だ。ピカソ、シャガール、岸田劉生、北大路魯山人などの展示をおこなってきた企画展示館をはじめ、印象派からエコール・ド・パリの巨匠たちを紹介するフランス館などの別館を2棟、日本の具象彫刻会を代表する秀作19点が並ぶ野外彫刻庭園を有している。

そんな多様なコレクションを形成してきた同館が、4月1日より新たに「奥谷博記念室」を開設する。それに伴い、ピカソやダリといった画家たちが愛用したパレットを常時230点ほど公開していることで人気の「パレット館」は、「日本館」に名称を改める。

2017年に文化勲章を受章した奥谷博(1934〜)は、名実ともに21世紀の日本洋画界を代表する画家のひとり。1966年の第1回昭和会展昭和会賞受賞以来、笠間日動美術館館長の長谷川徳七と奥谷は交友を深め、『風生』や『阿修羅』など数々の作品を収蔵してきた。

奥谷博《風生》1991年 157.0×146.0cm

《風生》1991年 157.0×146.0cm

この記念室では、1955年作『二十歳の自画像』から2021年作『底力』まで、さらに奥谷の協力のもと新たに加えられた作品が紹介される。このコレクションを通して、様々なモチーフに取り組みながら長年にわたり日本洋画界を牽引してきた、奥谷博の画業を一望することができるだろう。ぜひこの機会に足を運んでいただきたい。

奥谷博《阿修羅》1998年 130.7×162.2cm

《阿修羅》1998年 130.7×162.2cm

 

奥谷 博 Hiroshi Okutani
1934年 8月12日、高知県宿毛市に生まれる
1963年 東京藝術大学美術学部専攻科(油画)修了、大橋賞受賞
1965年 独立美術協会第33回展出品、独立賞・須田賞受賞
1966年 第1回昭和会展出品、昭和会賞受賞。独立美術協会会員推挙
1967年 第1回文部省芸術家在外研修員(現・文化庁新進芸術家海外研修員)として渡欧(〜'68年)
1971年 渡仏(〜'73年)
1982年 奥谷博展 静けさと神秘の詩(神奈川県立近代美術館)
1983年 安井賞選考委員となる
1984年 第3回宮本三郎記念賞受賞
1993年 奥谷博展 現代の黙示録(刈谷市美術館、笠間日動美術館、山形美術館、平塚市美術館、三重県立美術館)
1995年 第18回安田火災東郷青児美術館大賞受賞
1996年 第52回日本芸術院賞受賞 日本藝術院会員となる
1999年 『奥谷博作品1952―1999』刊行(日動出版)、出版記念展(日動画廊)
2001年 東京藝術大学美術学部客員教授となる(〜'04年)
2002年 DOMANI・明日展2002―文化庁在外研修への成果―出品(安田火災東郷青児美術館)
日韓現代美術展の実行委員、出品(高島屋横浜店、ソウル市)
2003年 独立美術協会70回記念〈輝け日本油画〉展の独立代表、出品(主催:朝日新聞社)
安田火災東郷青児美術館大賞25周年記念―25人の絵画展―出品(安田火災東郷青児美術館)
2007年 宿毛市名誉市民。世界遺産条約採択35周年記念奥谷博展-訪ねた世界遺産-(パリ、ユネスコ本部)
文化庁芸術家存外研修制度40周年記念「旅」展 美術部門実行委員代表(国立新美術館)
奥谷博展(高知県立美術館)。文化功労者顕彰
2008年 奥谷博展(そごう美術館、茨城県近代美術館、松本市美術館)
2011年 日本藝術院・大韓民国藝術院交流展出品・出席(韓国)
2012年 独立美術協会80年史刊行委員会代表、世界遺産条約採択40周年記念最終会合における奥谷博作品展示
(国立京都国際会館)
2015年 『奥谷博Ⅱ作品1999-2015』刊行(日動出版)、傘寿・画集刊行記念 奥谷博展(日動画廊)
2017年 文化勲章受章
2019年 近代日本芸術の100年 日本芸術院創設百周年記念展(日本橋・三越)の事業実施検討委員を務め、出品
2022年 奥谷博展―無窮へ(高知県立美術館、神奈川県立近代美術館)

奥谷博記念室 展示風景

奥谷博記念室 展示風景

開設式典にて 左:大村智氏 中央:奥谷博 右:長谷川徳七館長

関連イベント

奥谷博記念室 開室記念対談会
日時:4月15日(土)14:00〜15:00
会場:日本館(旧・パレット館)5階 奥谷博記念室
登壇者:奥谷博、土方明司(川崎市岡本太郎美術館館長)

開催中の特別展
画家 岸田劉生の軌跡
油彩画、装丁画、水彩画などを中心に

会期:2023年3月4日(土)~4月23日(日)
会場:笠間日動美術館 企画展示館

東京・銀座で生まれ、日本最初の液体目薬「精錡水せいきすい」を販売する楽善堂を営む家で育った岸田劉生(1891〜1929)。彼は白馬会の洋画研究所で黒田清輝に外光派の画風を学び、ルノワールやゴッホ、セザンヌらに影響を受ける。その後、一転して宋元画や南画など東洋的な美に傾倒し、独自の画風を切り開いた。
そんな彼が愛娘の麗子をモデルに『寒山風麗子像』を制作してからおよそ100年。笠間日動美術館は、この印象的な作品を含め、岸田の初期から晩年に至る約160点の作品を所蔵している。企画展示館でおこなわれる本展では、同館コレクションとともに画家・岸田劉生の軌跡を辿る。

[information]
笠間日動美術館
・住所 茨城県笠間市笠間978-4
・時間 9:30〜17:00(入館受付は16:30まで)
・休館日 月曜日
・入館料 大人1,000円、65歳以上800円、大高生700円、中小生無料
※展覧会によって料金が変更になる場合あり
・割引 20名以上の団体は各200円割引、障害者手帳をお持ちの方とその同伴者1名は各半額割引
・TEL 0296-72-2160
・URL http://www.nichido-museum.or.jp

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