大型の造形作品を中心に発表を重ね、日本現代陶芸の第一線を走り続ける井上雅之(1957〜)。彼の過去最大規模の個展が、茨城県陶芸美術館で開催中だ。
古来から「用の美」の器として我々の生活に寄り添ってきた、陶。そんな身近な存在を素材として使い、80年代から立体作品の制作に取り組んできた井上は、国内外で高い評価を受けている。
井上の手法は、ボルトで陶のパーツを組み立てて、ダイナミックなかたちを作り上げたり、ろくろ成形後に割った破片を作品の一部に用いたりするといったもの。これまでの常識に当てはまらない、彼の自由な発想で陶の可能性を大きく拡張させた。
1998年から、母校である多摩美術大学工芸学科で教鞭をとってきた井上だが、来春をもって退官。その節目となる本展では、企画展示室はもちろん館内各所を使って、初期作品から新作まで約70点が展観される。
40年にも及ぶ、井上の作家としての歩みを、ぜひ本展に訪れてたどっていただきたい。
[information]
井上雅之 描くように造る
・会期 2022年6月11日(土)〜8月28日(日)
・会場 茨城県陶芸美術館
・住所 茨城県笠間市笠間2345(笠間芸術の森公園内)
・電話 0296-70-0011
・時間 9:30〜17:00 (入場は16:30まで)
・休館日 月曜日(ただし、7月18日、8月15日は開館)、7月19日(火)
・観覧料 一般840円、70歳以上420円、高大生630円、小中生320円
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳又は指定難病特定医療費受給者証をお持ちの方及び付き添いの方(ただし1人につき1人まで)は無料
※土曜日は高校生以下無料(ただし、長期休業日に当たるときを除く)
※6月25(土)は70歳以上の方無料
・URL https://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/