展覧会

阪神・淡路大震災30年 企画展
1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち

 

会場:兵庫県立美術館 会期:12/21(土)〜2025年3/9(日)

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「30年目のわたしたち」ポスター画像

復興の文化的シンボルとして2002年に開館した兵庫県立美術館で
阪神・淡路大震災30年の企画展が開催される

阪神・淡路大震災から30年を迎えるに際して、兵庫県立美術館では、6組7名のアーティストによるグループ展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」が開催される。

兵庫県立美術館外観

兵庫県立美術館 ©Masaki Tada

1995年1月17日の震災では、兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館(1970〜2001年)も建物や収蔵品に大きな被害を受けた。同館を引き継ぎ、2002年に震災復興の文化的シンボルとして開館した兵庫県立美術館では、これまでも震災後の節目の年に関連展示がおこなわれてきたが、特別展会場での自主企画展は今回が初となる。
1995年から2025年までの30年の間に、アメリカ同時多発テロ(2001年)、東日本大震災(2011年)、ロシア軍によるウクライナ侵攻(2022年)、そしてイスラエルとハマスの軍事衝突(2023年)、能登半島地震(2024年)と、世界は多くの自然災害や紛争に見舞われてきた。明るい未来を想像することはますます困難な状況となっているが、そのような時代に求められる希望とは何だろうか。
簡単には答えの出ないこの問いを、それでも、あるいはだからこそ考え続けるための、ひとつの場となることを目指して、この展覧会は開催される。アーティストとその作品、何らかの出来事と、それらと出会う人々が展覧会という場につかの間でも集うこと。言い換えれば、今それぞれに生きる「わたしたち」こそ「希望」の出発点にほかならない、そのような思いがこの展覧会名には込められているという。
展覧会場で6組7名のアーティストの作品に触れ、一人ひとりにとっての希望のきっかけとなるような何かを見つけてほしい。

兵庫県立美術館外観

兵庫県立美術館

出品作家

■國府理 Kokufu Osamu
1970年京都府生まれ。乗り物の形態をモチーフに、実際に稼働する動力と機能を備えた大型の立体作品を制作・発表。さまざまな工業製品を素材に用いながら、必要な部材を自ら作り出し、ユニークな自動車やバイクを生み出す。その後、乗り物に植物や生態系を組み合わせ、「移動」と「循環」をテーマに自然と人間の営みについての寓話のような庭や温室型の作品によって創作スケールを拡大させるが、2014年、展示作品の点検中の事故により逝去。

國府理「國府理 水中エンジン redux」画像

参考:國府理「國府理 水中エンジン redux」(後期展) 2017年
アートスペース虹の展示風景 撮影:Tomas Svab


■束芋 
Tabaimo

1975年兵庫県出身、長野県在住。手描きドローイングと日本の伝統的な木版画の色彩を思わせるアニメーションを用いたインスタレーション作品で知られ、現代日本社会に潜む問題をシュールでシニカルに表現する。2011年、第54回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として参加。 2006年からは様々な舞台作品にも取り組み、国内外で上演を重ねる。2023年にはコペンハーゲンで大規模個展を開催。今年7月に寺田倉庫で新作「触れてなどいない」を発表し、10月にはギャラリー小柳(東京)で個展を開催した。

束芋《dolefullhouse》画像

参考:束芋《dolefullhouse》 2007年 兵庫県立美術館蔵
©Tabaimo/Courtesy of Gallery Koyanagi


■田村友一郎 
Tamura Yuichiro

1977年富山県生まれ、京都府在住。既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手掛ける。作品は、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンス、舞台まで多彩なメディアを横断し、土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで、幅広い着想源から現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。作品体系として、その多くがコミッションワークであり、近年では美術館のコレクションなども対象の事物として扱う。2024年11月から翌年1月まで、水戸芸術館で個展を開催。

田村友一郎《試論:栄光と終末、もしくはその週末 : Week End》画像

参考:田村友一郎《試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End》 2017年 インスタレーション


■森山未來 
Moriyama Mirai
(梅田哲也とのコラボレーション作品を発表
1984年生まれ、兵庫県出身。5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年文化庁文化交流使としてイスラエルに1年間滞在、ヨーロッパ諸国で活動。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求め領域横断的に国内外で活動を展開。俳優として日本の映画賞を多数受賞。ダンサーとして第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。東京2020オリンピック開会式ではオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年神戸市にArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立、運営に携わる。

梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」画像

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」 2020年 役者:森山未來ほか


■梅田哲也 
Umeda Tetsuya(森山未來とのコラボレーション作品を発表)

1980年熊本県生まれ、大阪を拠点に活動。現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表。先鋭的な音響のアーティストとしても知られる。2023年度にはワタリウム美術館で個展「wait this is my favorite part」を開催。同年、芸術選奨文部科学大臣新人賞、Tokyo Contemporary Art Awardを受賞。

梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」画像

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」 2020年 役者:森山未來ほか 撮影:天野祐子


■やなぎみわ 
Yanagi Miwa

1967年神戸市生まれ、京都府在住。美術作家、舞台演出家。1993年エレベーターガールをテーマにした作品で初個展、以後国内外で個展多数。2009年第53回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本代表作家。2011年より演劇活動を開始し、近代美術の黎明期をテーマに美術館や劇場で公演、北米ツアーも果たす。2019年個展「神話機械」が美術館巡回。2021年台湾オペラ「アフロディーテ~阿婆蘭~」を作演出。2016年より台湾製の特殊車両による野外巡礼劇を続けており、神戸の兵庫津では海上公演を実現。以降、時宗の始祖、一遍上人の軌跡と芸能を研究するプロジェクトが発足している。

やなぎみわ《「女神と男神が桃の木の下で別れる」川中島 II 》画像

参考:やなぎみわ《「女神と男神が桃の木の下で別れる」川中島 II 》 2016年


■米田知子 
Yoneda Tomoko

1965年兵庫県明石市生まれ、ロンドン在住。20世紀のイデオロギーをテーマに、戦争や震災の傷跡が残る日本国内およびヨーロッパ、東欧、アジアなど幅広い地域における人々の記憶が強く残る場所を訪れ、徹底した対象へのリサーチを重ねながら制作を続ける。写真を通して土地やものに宿る歴史的真実に迫り、詩的な感性をたたえた情景の背後に幾層にも重なる記憶を呼び起こす。

米田知子《震源地、淡路島》画像

米田知子《震源地、淡路島》 1995年 国立国際美術館蔵
©Tomoko Yoneda/Courtesy of ShugoArts

関連イベント

■アーティスト・トーク 米田知子×束芋
日時:2024年12月21日(土)14:00から(約90分)
※詳細および2025年1月以降の予定は決まり次第、兵庫県美術館公式サイトで発表

■学芸員によるギャラリートーク
日時
:2025年1月18日(土)、2月22日(土)いずれも15:00〜15:45
受付場所:兵庫県立美術館 1階エントランスホール

定員:20名(先着順
※参加無料(要観覧券)

■こどものイベント
※詳細は決まり次第、兵庫県美術館公式サイトで発表
問い合わせ:TEL 078-262-0908

[information]
阪神・淡路大震災30年 企画展1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」
・会期 12月21日(土)〜2025年3月9日(日)
・会場 兵庫県立美術館 企画展示室
・住所 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)
・時間 10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
・休館日 月曜日[ただし1月13日(月・祝)と2月24日(月・振休)は開館、1月14日(火)と2月25日(火)は休館]、年末年始[12月29日(日)~1月3日(金)]
・観覧料 一般1,600円、大学生1,000円、70歳以上800円、高校生以下は無料
※障害者手帳等をお持ちの方は、一般400円、大学生250円
※一般以外の料金で利用する場合は、観覧当日に証明書の提示が必要
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助者1名は無料
※コレクション展は、別途観覧料が必要(本展とあわせて観覧の場合は割引あり)
・TEL 078-262-1011
・URL https://www.artm.pref.hyogo.jp

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