展覧会

フィロス・コレクション 
ロートレック展 時をつかむ線

会場:SOMPO美術館 会期:6/22(土)〜9/23(月・祝)

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ロートレック展チラシ
19世紀末パリの香りが漂う約240点で
ロートレックの短い生涯を振り返る

新宿のSOMPO美術館で、19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年―1901年)の展覧会が開催される。この展覧会は、ロートレックによる紙作品の個人コレクションとしては世界最大級のフィロス・コレクションから約240点を紹介するものだ。フィロス・コレクションの最大の特徴である素描作品に始まり、ポスターを中心とする版画作品、雑誌や書籍のための挿絵、ロートレックが家族や知人に宛てた手紙、ロートレックの私的な写真など、日本でも人気の高いこの画家の芸術と生涯に肉薄した作品と資料で構成する展示となっている。

展覧会のみどころ

⚪︎世界最大級のコレクションが日本初上陸
ロートレックのグラフィック(紙作品)のコレクションとしては、パリのルーヴル美術館やアルビのロートレック美術館に次ぐ規模を誇るフィロス・コレクションが、日本で初めて紹介される展覧会。ロートレックは生涯約30点のポスターを制作しているが、それらは彼自身のみならず19世紀末芸術の代名詞ともなった。この展覧会では、一世を風靡ふうびしたロートレックのポスターから21点が出品される。

⚪︎19世紀末パリの劇場の雰囲気が味わえる
伯爵家に生まれ、画業のためパリに出たロートレックは、1884年ごろからモンマルトルにアトリエを構え、そこに生きる歌手や芸人、娼婦たちの姿を描いた。この展覧会では、大胆な構図を生かしたポスターをはじめ、豊富な関連資料を合わせて展示することで、世紀末パリの街をいろどり、時代を生きた人々の姿が浮かび上がるだろう。

⚪︎多数の作品資料で作家の真の姿に迫る
この展覧会では、完成作品から日々のスケッチまで、フィロス・コレクション最大の特徴である素描約45点を紹介。ロートレックの素早い描線を間近に感じ、線の魅力を堪能することができる。知人や肉親に宛てた手紙、私的な写真なども加えることで、ロートレックの「真の姿」に迫るものだ

ロートレック《アルフォンス・ド・トゥールーズ= ロートレック伯爵の肖像》 画像

《アルフォンス・ド・トゥールーズ= ロートレック伯爵の肖像》 1888年頃 鉛筆/紙 The Firos Collection

展示構成

1. 素描
最初の章では、フィロス・コレクションの素描作品が可能なかぎり紹介される。素描作品には完成度の高いものや紙片の両面に描かれた簡単なスケッチ、あるいはポスターの下絵なども含まれ、ロートレックの制作過程を垣間見ることができるものだ。版画と異なり「1点もの」である素描は、ロートレックが何を見てそれをどのように描いたのか、その「視線」を直に感じることができる素材といえるだろう。

ロートレック《騎手》画像

《騎手》 1879-81年 ペン、インク/紙 The Firos Collection

 

2. ロートレックの世界 ——カフェ・コンセール、ダンスホール、キャバレ……
第2章では、ムーラン・ルージュ、自由劇場、制作座など、ロートレックを取り囲む世紀末パリの世界を、版画と素描で紹介。また、ジャヌ・アヴリル、マルセル・ランデールのほか、ロートレックがモデルとして描いた芸人たちも可能なかぎり取り上げ、特にお気に入りのモデル、イヴェット・ギルベールとアリスティド・ブリュアンについては、おのおのの著作物まで展示される。

ロートレック《キャバレのアリスティド・ブリュアン》画像

《キャバレのアリスティド・ブリュアン》(文字のせ前) 1893年 リトグラフ The Firos Collection


3. 出版 ——書籍のための挿絵、雑誌、歌曲集
第3章では、ジュール・ルナール『博物誌』、デジレ・ディオーの歌曲集『昔噺』、ジョルジュ・クレマンソー『シナイ山の麓で』、芸術雑誌『ラ・ルヴュ・ブランシュ』や『レスタンプ・オリジナル』など、出版物(雑誌、書籍)に関連した作品が展示される。特にディオーの歌曲集『昔噺』の中の「君がため!」は、鉛筆の素描にはじまり、石版、文字のせ前の刷り、完成作まで、一連の制作過程が鑑賞可能だ。

『レスタンプ・オリジナル』誌表紙

『レスタンプ・オリジナル』誌表紙 1893年 リトグラフ The Firos Collection

 

4. ポスター
ロートレックの代名詞であり、ロートレック・ファンの多くが期待するポスターが、第4章でまとめて展示される。一般的にポスターは屋外に掲示されるので、その多くが破損や変色するなど、オリジナルの状態をとどめていない。しかし、フィロス・コレクションは状態の良いものを厳選し、さらに第三者が文字入れをする前の刷りを主に収集しているため、ロートレック自身のデザインをオリジナルに近い状態で鑑賞することができるのだ。

ロートレック《ディヴァン・ジャポネ》画像

《ディヴァン・ジャポネ》 1893年 リトグラフ The Firos Collection

 

5. 私的生活と晩年
伝統ある貴族の家に生まれ、健康に恵まれなかったロートレックであるが、多くの仲間に囲まれていたようだ。最後の章では、ロートレックがプロデュースした食事会のメニュー・カード、私的な展覧会の招待状、家族や知人に宛てた手紙、プライベート写真など、ロートレックの私生活が垣間見られる作品や資料を展示。これらの展示品から、ロートレックが人なつこい性格で、晩年まで多くの人々に愛されていたことが分かる。

ブイヤベース、セスコーのメニュー・カード

ブイヤベース、セスコーのメニュー・カード 1895年 リトグラフ The Firos Collection

 


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)
ロートレック肖像南フランスのアルビに伯爵家の息子として生まれ、幼いころから、絵を描くことに関心を抱いていた。
13歳のときに左脚を、14歳で右脚を骨折、以降下半身の成長が止まってしまい、絵画に専念するようになる。
1882年には画業のためにパリに出て、1884年ごろからモンマルトルにアトリエを構え、そこに生きる歌手や芸人、娼婦たちの姿を描いた。
特に素早い描線と大胆な構図を生かしたポスターで、一世を風靡した。
飲酒や放埓な生活のために肉体と精神を害し、療養の末、母の居城があったマルロメで亡くなった。享年36歳。

フィロス・コレクション
米国のベリンダとポール・フィロス夫妻が、20年以上にわたり収集しているロートレック作品の個人コレクション。総数は300点以上にのぼり、現在も増え続けている。
その内容は素描を中心に紙を支持体とする作品(グラフィック)群で、版画や書籍、ポスターに関しては、状態の良いものを厳選して収集している。
すでに米国や中国でコレクションを紹介する展覧会が開催されているが、日本での開催は今回が初となる。

※画像写真の無断転載を禁じます。

[information]
フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線
・会期 6月22日(土)〜9月23日(月・祝)
・会場 SOMPO美術館
・住所 東京都新宿区西新宿1-26-1
・時間 10:00~18:00(金曜日は20:00まで) ※最終入場は閉館30分前まで
・休館日 月曜日(ただし7/15、8/12、9/16、9/23は開館)
・観覧料 一般/事前購入券1,600円、当日券1,800円
大学生/事前購入券1,000円、当日券1,200円
高校生以下無料
※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を提示の本人とその介助者1名は無料、被爆者健康手帳を提示の方は本人のみ無料
※日時指定予約推奨(事前購入券の詳細については下記URLを参照)
※当日券は美術館受付で販売
・TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
・URL https://www.sompo-museum.org/

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