展覧会

DOUBLE ANNUAL 2023
「反応微熱 ──これからを生きるちから──」

会場
国立新美術館
会期
2/25(土)〜3/5(日)

国立新美術館では2月25日から、DOUBLE ANNUAL 2023「反応微熱 ──これからを生きるちから──」が開催されている。本展は京都芸術大学と東北芸術工科大学の学内選抜展だ。

2018年より始まった京都芸術大学の学生選抜展は、これまでも第一線で活躍するキュレーターを招聘し開催されてきた。6回目を迎える今年は、姉妹校の東北芸術工科大学からも公募を行なう形式がとられた。
総合ディレクターに片岡真実(森美術館館長)を迎え、インディペンデント・キュレーターである金澤こだまと服部浩之の共同キュレーション体制のもとつくり上げるこの展覧会は、選抜された学生の制作から展示方法の指導まで、キュレーターとの対話を続けながら進行してきたプロジェクトでもあるのだ。

展示プラン募集にあたり「抗体・アジール・ミラクル」 というキーワードが設定された。「抗体」は病原体などが体内に入った時、それに対抗するために体の中で作られる物質であり、免疫のもとになるもの。「アジール」 は世俗的な権力が及ばない 「避難所」。それぞれ、自らが受ける周囲からの影響・刺激・働きかけに応対する、態度や対処法についての用語だ。また、解決方法がアートの実践として示されることを期待した「ミラクル」という言葉からは、テーマを前にした学生たちの化学反応を期待するキュレーターの思惑が窺える。

それらの語に対する学生からの応答は、意外なほど丁寧な思考を経たものだったようだ。

一般に若者の特権ともいわれる感情のほとばしりや自由奔放さは、今回は影をひそめ、それぞれの置かれた場所のこと、心を動かされるもの、違和感や社会的課題に対して、注意深く真摯に向き合う姿勢が浮かび上がっています。

──キュレーターの言葉より抜粋

彼らの状況を捉える感性は、まさに微かながらも確かに起きた化学反応。11組の学生が、自らをとりまく世界から受けた様々なものに反応し、それぞれの暫定的な解をアート作品として提示する本展で、二校の学生たちの「これからを生きる強さ」を、会場で見届けてほしい。
なお、3月13日公開の「美術屋・百兵衛ONLINE」では本展に参加した学生の鼎談記事を掲載予定。そちらもぜひチェックしていただきたい。

プレビュー展での講評会の様子
撮影:顧剣亨

[information]
DOUBLE ANNUAL 2023「反応微熱 ──これからを生きるちから──」
・会期 2023年2月25日(土)〜3月5日(日)
・会場 国立新美術館 3階 展示室3A
・住所 東京都港区六本木7-22-2
・電話 03-6812-9921(会期中のみ)
・時間 10:00~18:00 ※観覧締切時間は17:30
・休館日 2月28日(火)
・入場 無料
・URL https://www.kyoto-art.ac.jp/doubleannual2023/

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。