独自の“版画”技法により
不思議な世界を描く入江明日香の
九州初となる大規模個展
入江明日香(1980年、東京生まれ)は、2004年に多摩美術大学大学院博士前期課程美術研究科版画領域修了。2012年には文化庁新進芸術家海外研修員として渡仏するなど研鑽を積んできた。
2013年に「PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ」大賞を受賞。2014年には文化庁新進芸術家海外研修の成果発表展である「第17回 DOMANI・明日展」に出品する。さらに初の大規模回顧展を、2018年に横浜髙島屋・京都髙島屋で、2019年には茨城県天心記念五浦美術館で開催し、大好評を博した。
入江の特徴は、あくまでも「版画家」であることにこだわり、西洋の銅版画技法を主軸にしながらも、日本画や浮世絵などの技法も縦横無尽に使いこなし、豊かな想像力から創り出す画面構成にあるといえる。異次元にいる人物や動物、お伽噺のなかの住人たちを入江は確かな描写力で我々に見せてくれるのだ。
2018〜19年の大回顧展から3年を経て開催するこの展覧会では、初期作品から直近の作品までが展観される。代表作・人気作はもちろんのこと、2019年以降に制作された大作や、入江が近年特に注力している作品(歳時記をテーマにしたもの、書のエッセンスを取り入れたもの、箔を使用したもの)にも注目してほしい。
“銅版画と絵画の新たな可能性” 銅版画家 入江明日香 公式サイトより
作家として生きる道を考えていた頃、銅版画ではプレス機の大きさ以上の作品が作れないこと、
また、銅版画のクオリティを維持しつつも、それ以上に、より自由な表現の可能性を模索していました。
試行錯誤の結果、銅版画をコラージュすることで大きさの制限から開放され、
同時に絵具で自由に描くことにより独自の世界観を創り出すことに挑戦しています。
“ミクストメディアという手法”
現在、私の制作のメインとなっているのが「ミクストメディア」というスタイルです。
和紙に刷った銅版画をコラージュし、水彩絵具などで着色して仕上げる独自の手法で表現しています。
ミクストメディアの作品の色を決めるのがコラージュ用の版画。
厚さやテクスチャーの違う数種類の和紙に様々な色、図案で刷って「絵具」の感覚で扱っています。
入江明日香 profile
1980年 東京都生まれ
2004年 多摩美術大学大学院博士前期課程美術研究科版画領域修了
2006年 平成17年度文化庁新進芸術家国内研修員終了
2013年 「第1回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ」大賞(京都市美術館)
2012〜13年 平成24年度文化庁新進芸術家海外研修員としてフランスに滞在(1年間)
現在日本美術家連盟会員
[information]
入江明日香展 時空の旅人
・会期 2022年9月3日 (土)〜 10月9日 (日)
・会場 福岡アジア美術館 7階 企画ギャラリーA・B・C
・住所 福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8階
・時間 ギャラリー観覧時間/9:30〜 18:00(金曜・土曜は20:00まで)
※ギャラリー入室は閉室30分前まで
・休館日 毎週水曜日(水曜が休日の場合はその翌平日)
・観覧料 一般・大学生1,400円、中高生1,200円、4歳〜小学生800円、3歳以下は無料
※中高生料金で入場する場合は、学生証等の提示が必要
※身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の提示者本人と介護者1人、特定医療費(指定難病)受給者証・特定疾患医療受給者証・先天性血液凝固因子障害等医療受給者証・小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者本人は観覧無料
・TEL 092-711-5491(西日本新聞イベントサービス/平日9:30〜17:30)
・URL https://artne.jp/irieasuka/
●この展覧会は福岡会場での会期終了後、松坂屋美術館(愛知県名古屋市)に巡回します。
会期:2023年2月4日(土)~ 2月26日(日)