展覧会

没後80年 竹内栖鳳
京都画壇の俊英たちとともに

会場
足立美術館
会期
8/31(水)〜11/30(水)

日本画壇に大きな功績を残した画家・竹内栖鳳たけうちせいほう(1864~1942)の没後80年を記念した展覧会「没後80年 竹内栖鳳 京都画壇の俊英たちとともに」が、島根県の足立美術館で開催中だ。

人物や風景など、多彩な題材を得意としていた栖鳳。とりわけ、犬や鳥など身近な生きものを熱心に観察して対象を的確に捉えたことから、彼が描けばその匂いまで描くと評された。そんな栖鳳の名品とともに、同時代に京都で活躍した画家たちの作品も併せて紹介する本展。彼らの作品の魅力を存分に堪能できることだろう。

竹内栖鳳《潮沙和暖》画像

竹内栖鳳《潮沙和暖ちょうさわだん》昭和9年(1934)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

 

1864(元治元)年、京都に生まれた竹内栖鳳。幼少期から絵に興味を持ち、円山・四条派の伝統的な写生を学んだ。さらに狩野派や土佐派など数多くの流派を研究した栖鳳は、1900(明治33)年に渡欧。西洋の写実表現を日本画に取り入れた新画法を創出するなど、独自の表現方法を追求した。また、京都市立絵画専門学校などで教鞭を執ったほか、画塾・竹杖会ちくじょうかいを主催し、多くの逸材を輩出した功績も忘れてはならない。彼の元から、上村松園や橋本関雪、西村五雲など、錚々たる画家たちが誕生したからだ。栖鳳は文字通り、当時の日本画壇を牽引し続けたのである。

竹内栖鳳《魚肥山果熟》画像

竹内栖鳳《魚肥山果熟うおこえさんかじゅくす》大正14年(1925)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

この展覧会の見どころ

①選りすぐりの栖鳳作品を紹介
足立美術館の所蔵品から厳選された栖鳳作品が並ぶ本展では、多彩な作品群を目の当たりにできる。中でも、近代を代表する経済人・渋沢栄一に依頼されて制作した《雨霽うせい》は“幻の大作”とされてきた逸品。1928(昭和3)年の完成以来、80年以上も一般の目に触れることがなかったこの作品にも再び出会うことができる機会なのだ。

竹内栖鳳《雨霽》画像

竹内栖鳳《雨霽》画像

竹内栖鳳《雨霽》昭和3年(1928)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

 

②独自の画風や表現に注目
西洋画の表現を取り入れたり、少ない筆数で対象を捉えて描いたりと、多様な表現を研究しながら新しい時代の日本画を確立した栖鳳。彼の軌跡がうかがえる作品が多数展示され、その魅力をより深く味わうことができる。

竹内栖鳳《墟邊》画像

竹内栖鳳《爐邊ろべ》昭和10年(1935)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

③栖鳳とその周辺の華々しい画家たちを一望
山元春挙、上村松園、橋本関雪……。
栖鳳のライバルや弟子、国画創作協会の画家など、彼の周辺にいた錚々たる画家たちの作品も一挙に紹介されるこの展覧会。栖鳳が京都画壇に与えた影響の大きさをつぶさに感じ取ることができるだろう。

橋本関雪《夏夕》画像

橋本関雪《夏夕かゆう》昭和16年(1941)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

山元春挙《奥山の春図》画像

山元春挙《奥山の春図》昭和8年(1933)
足立美術館(島根県安来市)所蔵

※作品画像は全て、転載並びにコピー禁止

伝統を受け継ぎながらも新しい表現を研究し続けた竹内栖鳳。近代日本画の道を拓いた彼の作品をじっくりと楽しんでいただきたい。

同時開催
秋の横山大観コレクション選

明治・大正・昭和の日本画壇を牽引した横山大観(1868〜1958)の作品を約120点所蔵している足立美術館。その大観コレクションの中から、選りすぐりの名品を鑑賞できるのが、「横山大観特別展示室(略称:大観室)」だ。
中でも、毎年秋季に展示される《紅葉》は、最も絢爛豪華な作品のひとつ。今期は、可憐な花を描いた《白梅》や水墨を使った幻想的な富士山《龍躍る》などの名作も紹介される。

この機会に足立美術館へ足を運び、名作の数々を鑑賞しよう。

[information]
秋季特別展
没後80年 竹内栖鳳 京都画壇の俊英たちとともに

・会期  2022年8月31日(水)~11月30日(水)
・会場 足立美術館 本館
・住所 島根県安来市古川町320
・時間 9:00〜17:30 ※10月から9:00〜17:00
・休館日 年中無休
※10月6日(木)、7日(金)、31日(月)、11月1日(火)は新館のみ展示替えのため休館
・入館料 大人2,300円、大学生1,800円、高校生1,000円、小中生500円
※各種割引制度あり
※本料金で足立美術館内の他の展覧会や日本庭園など全て鑑賞可能
・TEL 0854-28-7111
・URL https://www.adachi-museum.or.jp

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