| 会場：大阪中之島美術館 | 会期：12/21（土）〜2025年2/24（月・休） |
さまざまなテーマの浮世絵版画や肉筆画など約400点で展開される
大阪では13年ぶりの開催となる国芳の大規模個展
大阪中之島美術館では、12月21日から約2ヵ月にわたって「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」が開催される。“国芳展の決定版”ともいえるこの展覧会では、武者絵や戯画をはじめとする幅広い画題の浮世絵版画や貴重な肉筆画などを、「1. 武者絵・説話」「2. 役者絵」「3. 美人画」「4. 風景」「5. 摺物と動物画」「6. 戯画」「7. 風俗・情報・資料」、そして「特別展示：肉筆」の構成により約400点を展示。大阪では13年ぶりとなる国芳の大規模個展だ。
《相馬の古内裏》 弘化2–3年（1845–46）頃 個人蔵
江戸末期の浮世絵師、歌川国芳（1797〜1861）は、無尽の想像力と圧倒的な画力によって、斬新な作品を数多く世に生み出した。その奇想天外なアイデア、現代にも通じるデザイン力やユーモアは、浮世絵という枠や時代を超えて多くの人々を魅了し、今も国内外で高い人気を誇っている。
30歳代始めに「水滸伝」の英雄たちを描き、遅咲きの成功を手にした国芳は、美人画と役者絵を頂点とする当時の浮世絵界で、武者絵を新たな人気ジャンルへと押し上げた。3枚続きの大画面に大胆に描かれた武者絵やユーモアと機知に富んだ戯画、西洋画法を取り入れた風景画など、さまざまに趣向を凝らして浮世絵に新風を吹き込み、豊国（三代）、広重と並ぶ人気絵師となった国芳。その偉業は、近代・現代にまで引き継がれている。
《忠臣蔵十一段目夜討之図》 天保2–3年（1831–32）頃 個人蔵
展覧会の見どころ
1. イケメン、ダークヒーロー、巨漢に怪童 ―「武者絵の国芳」による魅惑のヒーロー大集合!
3枚続きの大画面を活かしたダイナミックな構図、物語の決定的瞬間をつかむ描写力など、武者絵は国芳の手で大きく進化した。その魅力は、現代の漫画やアニメにも通じるだろう。会場には、出世作の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個（壱人）」シリーズから、最晩年の6枚続きの大作《四条縄手の戦い》（前期のみ）まで、国芳の代名詞である武者絵の数々が一堂に並ぶ。
《坂田怪童丸》 天保7年（1836）頃 個人蔵
2. お江戸を沸かせた“笑い”の力 ― 機知に富んだ戯画の数々に、幕府の禁令も何のその
笑いを誘い、時に風刺を潜ませた戯画も、国芳の得意なジャンルの一つ。猫、金魚、鳥、さらには道具や玩具までをも擬人化させたり、絵に二重の意味を持たせたり、言葉遊びを織り込んだりと、手を替え品を替え、多くの戯画を描いた。天保13年（1842）に、江戸幕府が役者や遊女を描くことを禁止した際にも、国芳は戯画による笑いと風刺で苦境を乗り切っている。
《きん魚づくし ぼんぼん》 天保13年（1842）頃 個人蔵
3. 猫を描いた新発見作品も！― 愛猫家・国芳のアイデアと観察眼に注目!
国芳は大の猫好きで、絵を描く時にも懐中で仔猫を可愛がったと伝えられるほど。国芳の猫たちは、戯画、役者絵、美人画などジャンルの枠を超えて登場し、人気役者に扮したり、遊郭の客になったりと、人間顔負けの活躍を見せている。この展覧会では、猫を描いた新発見作品の《流行猫の変化》（通期）も展示される。
《流行猫の変化》 天保12–13年（1841–42）頃 個人蔵
関連イベント
◆講演会「国芳の個性とその魅力」
開催日時：2025年1月11日（土）14:00〜15:30（開場13:30）
講師：浅野秀剛（あべのハルカス美術館館長、大和文華館館長）
会場：大阪中之島美術館 1階ホール
定員：150名（先着順）
料金：無料 ※ただし本展の観覧券（半券可）が必要
◆講演会「北斎・広重と国芳の奇想」
開催日時：2025年1月26日（日）14:00〜15:30（開場13:30）
講師：安村敏信（静嘉堂文庫美術館館長）
会場：大阪中之島美術館 1階ホール
定員：150名（先着順）
料金：無料 ※ただし本展の観覧券（半券可）が必要
《鏡面シリーズ 猫と遊ぶ娘》 弘化2年（1845）頃 個人蔵
◆担当学芸員によるギャラリートーク
開催日時：2025年1月15日（水）、2月5日（水）11:00〜12:00
定員：30名
料金：無料 ※ただし当日の観覧券が必要
申し込み：展覧会WEBサイトにて公開されるイベントページからの申し込みが必要
◆こども本の森 中之島×大阪中之島美術館 出張！ほんのもりピクニック（仮）
屋内ピクニックスペースで絵本を手に取って見ることができるイベント。こども本の森 中之島のスタッフによる読み聞かせも実施。
開催日時：2025年2月1日（土）10:00〜16:00
会場：大阪中之島美術館 1階ワークショップルーム
対象：どなたでも参加可能（事前申込も不要） ※読み聞かせは子ども向けの内容
料金：無料
《日本駄右ェ門猫之古事》 弘化4年（1847） 個人蔵
[information]
歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力
・会期 12月21日（土）〜2025年2月24日（月・休）
前期：12月21日（土）〜1月19日（日） 後期：1月21日（火）〜2月24日（月・休）
※前期・後期で約9割の作品・資料が入れ替わり
・会場 大阪中之島美術館 4階展示室
・住所 大阪市北区中之島4-3-1
・時間 10:00〜17:00（入場は16:30まで）
・休館日 月曜日、12月31日（火）、1月1日（水）、1月14日（火）
※1月13日（月・祝）、2月24日（月・休）は開館
・入館料 一般1,800円、高大生1,500円、小中生500円
※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要
・TEL 06-4301-7285 大阪市総合コールセンター（なにわコール）
※受付時間 8:00〜21:00（年中無休）
・展覧会URL https://kuniyoshi2024.jp
・美術館URL https://nakka-art.jp/exhibition-post/kuniyoshi-2024/