会場:兵庫陶芸美術館 | 会期:2022/12/10(土)〜2023/2/26(日) |
古来、人々の暮らしやその土地の風土、芸術と関わりながら多様な発展を遂げてきたやきもの。北は日本海、南は瀬戸内海に面する広大な県域を持つ兵庫県でも、旧五国(摂津・播磨・但馬・丹波・淡路)の特徴を生かした多くの産地が生まれた。さらに近代以降は、それまで産業として発展してきたやきものの世界に、個を表現した“芸術としての陶芸”も誕生した。
兵庫陶芸美術館は2005年に、丹波焼のふるさとである兵庫県丹波篠山市に開館した。コレクションの基礎となったのは、全但バス株式会社社長の田中寛氏(1904~1981年)が収集した、丹波焼をはじめとする兵庫県内で作られた古陶磁。さらに開館以降も、県内産地の特徴を示す陶磁器や、国内外の現代陶芸などをコレクションの柱として収集を続けている。
それらの収蔵品を活用した企画展のほか、国内外の陶芸や工芸を紹介する巡回展など、年間4つの特別展と数件のテーマ展を開催。陶芸家を講師に招いたワークショップなども好評で、積極的に陶芸文化の魅力を発信している。
2023年2月26日まで開催中の展覧会「教えて!兵庫陶芸美術館―収集と展示のQ&A―」では、優れた収蔵品だけでなく、収集や展示活動の軌跡、やきものを専門に取り扱う美術館ならではの展示についても紹介される。
展覧会の特徴
■美術館の活動に焦点を当てた展覧会
様々なテーマを設けて展覧会を開催する美術館。その活動の中でも「収集」と「展示」の二つは、館の個性を示す上で特に大きな役割を担っていると言える。兵庫陶芸美術館の収集活動をはじめ、展覧会の企画や美術館での展示について焦点を当てるこの展覧会。「兵庫のやきもの知ってる?」「現代陶芸ってどんなもの?」「どうやって展示する?」といったQ&Aを切り口に、収蔵作品に過去の展覧会チラシや参考資料、映像などを交えながら紹介する。
■コレクションの特徴、保存、活用に触れる、収集のQ&A
兵庫陶芸美術館には、開館時からの継続した収集活動によって、現在3,000件以上の作品が収蔵されている。開館の契機の一つとなった田中寛コレクションの受贈、その後の収集活動によって次第に独自のコレクションが形成されていった。そんなコレクションの優品と併せて、収集した資料がどのように保存・活用されているのか。この展覧会では、その一端を垣間見ることができるだろう。
■展示の工夫やこれまでの展覧会に触れる、展示のQ&A
展示プランや印刷物の作成など、様々なプロセスを経て開催される展覧会。実際の展示作業には、作品の点検や転倒防止を施した上での展示作業、照明作業など様々な工程がある。本展では、やきもの専門館ならではの展示について、実際に使用している道具や展示作業の映像を紹介するほか、開館記念展から現在までの展覧会史を、これまでに作成したチラシや図録とともに振り返る。
この機会に、兵庫陶芸美術館の魅力に触れてみてはいかがだろうか。
※掲載作品の所蔵は全て兵庫陶芸美術館
関連企画
■ギャラリートーク:「当館学芸員による展示解説」
日時:2023年1月7日(土)、1月21日(土)、2月4日(土)、2月18日(土)
時間:各日11:00〜(1時間程度)
※観覧券が必要
[information]
教えて!兵庫陶芸美術館―収集と展示のQ&A―
・会期 2022年12月10日(土)~2023年2月26日(日)
・会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室2・4・5
・住所 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
・電話 079-597-3961
・時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
・休館日 月曜日、2022年12月31日(土)、2023年1月1日(日・祝)
※ただし、1月2日(月)、1月9日(月)は開館し、1月4日(水)、1月10日(火)は休館
・観覧料 一般600円、大学生500円、70歳以上300円、高校生以下無料
夜間(17:00〜):一般・70歳以上300円、大学生250円
※障がい者は75%割引、その介助者1名は無料。
・URL https://www.mcart.jp
■新春のおもてなし
日時:2023年1月2日(月・振替休日)、1月3日(火)
展覧会入場の各日先着100名に丹波焼小皿のプレゼントあり。
期間中は割引料金で観覧可能。