好きなものを詰め込んだ
楽しいおもちゃ箱のような展覧会
2019年の第54回昭和会展で、最高賞である昭和会賞を受賞した松本亮平。 過去の画家たちの機知に富む発想に影響を受けながら、日本美術特有の美意識を加えた作品は、彼の創作の根底にある「温故知新」を体現している。
幼い頃から生き物への興味が尽きず、それらを描くことに夢中になっていたという松本。彼の描く多様な生き物たちが調和する画面をよく見ると、一匹一匹の個性が描き分けられ、様々な物語が潜んでいることがわかる。そして、誰もが思わず笑みをこぼしてしまうようなユーモアがスパイスとなって、観る者を惹きつけるのだ。時にそれは、現代社会の様相と重なるかもしれない。
個展に際し、松本は次のように言葉を寄せている。
個展「温故知新」には古典絵画から学んだことを生かしながら、私なりに新しいものを作っていきたいという思いを込めています。
また「美術屋・百兵衛」にて同タイトルのコラムを連載しており、そこでは私の好きな古典絵画をテーマに「生き物の絵」「日本の古典絵画」「素朴絵」「だまし絵」「風刺画」「猫絵」「物語画」「画中画」「群獣図」「魚の絵」「大作」「黒い背景の絵」などについて執筆しています。
そこで学んだことの一つは、絵の多様性。絵には正解はなく色々な楽しみ方があるということです。
そのコラムの成果発表でもある今回の個展は、私の好きなものを詰め込んだ楽しいおもちゃ箱のような展覧会になったと思います。私の描いた生き物たちの物語に、鑑賞者の皆様それぞれが多様な心情を投影して楽んでいただけると嬉しく思います。
この個展では、動物たちが集合するF100号の大作や、ことわざをモチーフにした半立体の猫シリーズなど、遊び心が存分に散りばめられた新作が多数出展される。
生命を温かなまなざしで捉える松本。多くの人を魅了する彼の作品を、ぜひ間近で感じていただきたい。
松本亮平インタビュー 個展「温故知新」に向けて
コラム「温故知新」はこちら
松本亮平 Ryohei Matsumoto
1988年
神奈川県生まれ
2011年
早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科卒業
2013年
早稲田大学大学院先進理工学研究科電気・情報生命専攻修了
2016年
REIJINSHA GALLERY‘S EYE(REIJINSHA GALLERY/東京)
第12回世界絵画大賞展遠藤彰子賞受賞(東京都美術館)
2017年
Zoo of Arts/アートな動物園(REIJINSHA GALLERY/東京)
2018年
PLAS 2018 CONTEMPORARY ART SHOW(COEX/韓国)
Art Expo Malaysia 2018(MATRADE Exhibition and Convention’Centre/マレーシア)
公募日本の絵画2018(永井画廊/東京)※’14、’16年出展
2019年
第54回昭和会展昭和会賞受賞(日動画廊/東京)※’16、’17、’18年出展
Art Elysees 2019(Place de la Concorde/フランス)
2020年
個展「生命の記憶」(SILVER SHELL/東京)※’16、’18、’19年開催
猫会議2020(REIJINSHA GALLERY/東京)※’19年出展
BAMA(BEXCO Exhibition Center/韓国)
2021年
ART BUSAN 2021(BEXCO Exhibition Center/韓国)※’19年出展
2022年
3人展(Galerie Nichido/フランス)
個展「昭和会賞受賞記念 松本亮平展」(日動画廊/東京)
佐々木豊と8人展(飯田美術/東京)※’16~’21年出展
市制90周年記念展 わたしたちの絵 時代の自画像(平塚市美術館/神奈川)
個展「温故知新」(REIJINSHA GALLERY/東京)
現在、神奈川県にて制作
Twitter @Ryohei60
作家オフィシャルサイト https://rmatsumoto1.wixsite.com/matsumoto-ryohei/
REIJINSHA GALLERY 作家ページ https://www.reijinshagallery.com/product-category/ryohei-matsumoto/
[information]
松本亮平 温故知新
・会期 2022年10月28日(金)〜 11月11日(金)
・会場 REIJINSHA GALLERY
・住所 東京都中央区日本橋本町3-4-6 ニューカワイビル 1F
・電話 03-5255-3030
・時間 12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
・休廊日 日曜、月曜、祝日
・URL https://www.reijinshagallery.com