展覧会

市制90周年記念展 
わたしたちの絵 時代の自画像

会場
平塚市美術館
会期
10/1日(土)〜11/27(日)

松本亮平《鶴の行列》画像

松本亮平《鶴の行列》 2022年 個人蔵

現代社会の諸問題がテーマの作品約80点を通し、
我々が生きる今という時代を振り返る展覧会。

江戸時代、東海道五十三次の宿場町として栄えた平塚。1889(明治22)年に町村制が施行されると、大住郡平塚宿・平塚新宿の区域より平塚町が成立する。1932(昭和7)年には横浜、川崎、横須賀に次ぐ、神奈川県下で四番目の市となった。

平塚市美術館内外観

左/平塚市美術館外観 右/平塚市美術館館内

その平塚市は今年、市制施行90周年を迎えた。この節目の年を祝うため、同市では様々な記念事業がおこなわれているが、文化芸術分野における記念事業の一つが、今回紹介する「市制90周年記念展 わたしたちの絵 時代の自画像」。これはバブル崩壊以後、コロナ禍の現在まで続く厳しい社会状況の中で、我々が生きる今という時代を振り返る展覧会。鑑賞者が共感しやすい若手作家の作品や、現代社会の諸問題をテーマとして人々に寄り添う絵画作品約80点が展示される。

田中武《斉唱~神7の唄~》画像

田中武《斉唱~神7の唄~》 2017年 西治コレクション蔵

2022年に入り、新たにロシア・ウクライナ戦争が勃発。さらに厳しさを増す状況下で、美術には何ができ、我々に何をもたらしてくれるのか? 同時代を生きる多くの現代作家は、様々な立場で社会と向き合いながら制作を続けてきた。ある作家は自らの心のうちを見つめ、またある作家は我々の置かれたゴミ問題や温暖化などといった現代特有の諸問題に目を向けて描いている。

石田徹也《コンビニエンスストアの母子像》画像

石田徹也《コンビニエンスストアの母子像》 1996年 平塚市美術館寄託

近年、社会を批判しタブーに対して異議を唱える作品が論議を呼ぶ一方で、我々と同じ立ち位置で生活し、悩み、逡巡しながら制作する作家も多い。彼らの作品は、我々が社会でふと感じる生きづらさや違和感を提示する。それは、多くの人々の共感を呼ぶものだ。

村上早《嫉妬-どく-》画像

村上早《嫉妬-どく-》 2020年 高橋龍太郎コレクション蔵 撮影:コバヤシ画廊

この展覧会では、厳しい社会の中で自らを見つめ、また、社会の諸問題に向き合って制作する現代作家が紹介される。鑑賞者は、時代的な共通性を見出すとともに、根源的に人間の営みと直結してきたはずの美術の役割を思い返すためのヒントを受け取るのではなかろうか。

谷原菜摘子《Family Portrait》画像

谷原菜摘子《Family Portrait》 2017年 札幌宮の森美術館蔵 ©Natsuko Tanihara, courtesy of MEM

作品はその時代の鏡。我々を映すものでもある。作品を観ることで自らや社会を見つめ直し、共感したり心をざわつかせたりすることは、必ず今を生きる糧となり将来へと続く道を照らしてくれるはずだ。

山本雄教《757円の男》画像

山本雄教《757円の男》 2021年 作家蔵

出品作家は、自らを見つめ困難な時代を生きる我々や作家自身を表現した石田徹也、大木雄二、佐藤忠、重野克明、村上早、谷原菜摘子、山本雄教。環境やごみ問題、エコロジー、原発ほか我々を取り巻く諸問題を扱った石川美奈子、五島三子男、田中武、松本亮平、養田純奈、米山幸助の計13名。

関連事業・イベント

担当学芸員によるギャラリートーク
日時:10月15日(土)、11月19日(土)14:00~14:40
場所:展示室1
※申込不要・要観覧券

平塚市制施行90周年記念事業
会期中各日90人目の来場者に特製缶バッジを進呈

[information]
市制90周年記念展 わたしたちの絵 時代の自画像
・会期 2022年10月1日(土)~ 11月27日(日)
・会場 平塚市美術館
・住所 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
・時間 9:30〜17:00 ※入場は16:30まで
・休館日 月曜日(ただし、10月10日は開館)、10月11日(火)
・観覧料 一般900円、高大生500円、中学生以下無料
 ※毎週土曜日は高校生無料
 ※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1名は無料
 ※65歳以上の平塚市民は無料、市外在住者は2割引(年齢・住所を確認できるものが必要)
・TEL 0463-35-2111
・URL https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

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