ギャラリー

REIJINSHA GALLERY 
7月、日本橋大伝馬町から日本橋本町へ


江戸通りに面した新しい場所で、アートと人の新たな出会いを生み出す。

新しいREIJINSHA GALLERYのエントランス画像

日本橋本町に移転した新しいREIJINSHA GALLERYのエントランス(正面左側) 撮影日:2022年6月24日


2012年1月、銀座で誕生したREIJINSHA GALLERY

銀座時代のREIJINSHA GALLERY

2012年1月、銀座にオープンしたREIJINSHA GALLERY

REIJINSHA GALLERYは2012年1月11日、銀座六丁目にあるみつわビルの地下に生まれた。柿落としとなった「工藤村正来日記念展」以降、6年間の銀座時代に開催した展覧会は91。「カテゴリーや世代にこだわりを持たず、多様な美術の存在を世に紹介する」をポリシーとし、物故作家や現存の公募系ベテラン、現代アート系の新人など様々な作家を紹介。若手主体のコンクール出展者によるグループ展や公募団体の選抜展も催している。まさに「あらゆるアートのステージ」ともいうべき存在であった。

杮落しとなった工藤村正展の模様

杮落しとなった工藤村正展のオープニングには多くの人々が来場した

銀座時代の6年間に、REIJINSHA GALLERYの方向性は「あらゆるアートのステージ」から「若手作家の発掘と紹介」へと少しずつシフトしていった。才能ある若手作家を取り扱うとなると、ギャラリーを構える場所も銀座よりさらに相応しい街があるはずだ。そうした考えから、2018年5月14日、REIJINSHA GALLERYは銀座から日本橋大伝馬町に移転した。

現代日本の原点ともいえる大伝馬町での4年間

大伝馬町時代のギャラリー内観

大伝馬町時代のギャラリー内観

大伝馬町のある東日本橋エリア。そこは、ユニークな企画ギャラリーが数多く点在するアートスポットだ。それは何も現代に限った話ではない。大伝馬町のREIJINSHA GALLERYあたりには、かつて蔦屋重三郎が耕書堂という浮世絵の版元を構えていた。つまり、ヨーロッパでジャポニスムを巻き起こした写楽、歌麿、北斎らの作品がこの街で作られ、印象派の画家たちに大きな影響を与えたのである。さらに元吉原や芝居小屋がある人形町にも隣接する、江戸時代に最も賑わった繁華街であった。ある意味で現代日本の原点となるような、様々な歴史が集約するエリアだといえる。

「耕書堂」跡にある立て札の画像

蔦屋重三郎の「耕書堂」跡にある立て札

大伝馬町時代のREIJINSHA GALLERYがあったのは、外観のガラスブロックと黒い壁が特徴的なビル(PUBLICUS×Nihonbashiビル)の1階。ギャラリーが入るに相応しい、洒落たレトロな建物ではあったが、1964年築と古いビルのため老朽化しており、今年9月以降の取り壊しが決まった。

2018年の大伝馬町での開廊パーティーの模様

2018年の大伝馬町での開廊パーティーでは、入りきれないほど多くの人々が訪れた


日本橋本町移転後も「人とアートのつながり」を大切に
ギャラリースタッフは、味わい深い建物に強い愛着を抱いていた。また、大伝馬町は企業のビルと居住用マンションが共存する二面性を持つ街で、REIJINSHA GALLERYはサラリーマンの息抜きの場所、近隣マンション住人の憩いの場としても愛されていたという。その立地と雰囲気から、多くの人が気軽にアートに触れることのできる場所だったようだ。

そこでREIJINSHA GALLERYでは、これまで築いてきた多くのつながりを保ち続けるために、日本橋近辺で新しい場所に移ることになった。今回新たに入居するのは、日本橋本町の江戸通りに面したニューカワイビルの1階だ。明治以前には江戸本町と呼ばれ、江戸を代表する薬の町だった日本橋本町。今も大手製薬会社の本社が点在する。ニューカワイビルは日本橋エリアの中心部に位置し、日本橋三越や日本橋三井タワー、コレド室町など有名な商業ビルからも近い。JR「新日本橋」駅や東京メトロ「三越前」駅、「小伝馬町」駅など複数の路線が利用可能でアクセスは良好だ。大伝馬町からも徒歩で移動ができる。

日本橋本町のギャラリーの工事の模様

新しい日本橋本町のギャラリーのオープンに向けて工事が進む 撮影日:2022年6月1日

新しいギャラリーが入るビルは、御影石造りの重厚感ある外観。1階には以前もギャラリー(アートスペースユーメリア)があった。建物中央部に設置されているのは、現在Bunkamuraザ・ミュージアムで「ボテロ展 ふくよかな魔法」が開催中(7月3日まで/その後、名古屋・京都へ巡回)のフェルナンド・ボテロによる銅像《Mother and Child(母と子)》だ。ギャラリースペースの面積は大伝馬町時代とほぼ同じだが、デッドスペースが少なく、展示スペースは広くなった。

フェルナンド・ボテロ《Mother and Child(母と子)》画像

フェルナンド・ボテロ《Mother and Child(母と子)》 撮影日:2022年6月24日

2012年のギャラリー開業から、二度の移転を経験したREIJINSHA GALLERY。スタッフ全員が以前と同じく「人とアートのつながり」を大切にし、新たなギャラリーを訪れる人々との出逢いに胸を弾ませているらしい。

新しいギャラリー内部の画像

改装工事完了後のまだ新しいギャラリー内部 撮影日:2022年6月24日


7月15日より「猫会議2022」を開催
新生REIJINSHA GALLERYの記念すべき最初の展覧会は、7月15日(金)からの「猫会議2022」である。

「猫会議2022」DM画像

「猫会議2022」DM

「表情、声、性格、毛並み、肉球、仕草や動きなど、愛猫家にとって猫の魅力を言葉にするのはナンセンスでしょう。魅力が何であれ、猫と生活を共にするようになったほとんどの人は、平和な幸せを感じる時間が多くなるといいます。本展覧会での9名による作品の猫たちも、そんな役割を担ってくれるかもしれません。ご期待ください。」(「猫会議2022」DMより)
【出展者】 植野のぞみ/mmr美枝子山﨑/川邊りえ/君島英樹/坂本藍子/芝池美恵/柴トラ夏子/藤田まりこ/保坂有美(50音順)

地図

[information]
REIJINSHA GALLERY
・住所 東京都中央区日本橋本町3-4-6 ニューカワイビル1F
・電話 03-5255-3030
・時間 12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
・休廊日 日曜日、月曜日、祝日
・交通 JR総武本線「新日本橋」駅⑥番出口・徒歩1分、③番出口・徒歩2分
    東京メトロ銀座線 / 半蔵門線「三越前」駅A9出口・徒歩3分(地上行きエスカレーターあり)
    東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅③番出口・徒歩5分
・URL https://www.reijinshagallery.com

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