展覧会

気になる!大好き!これなぁに?
こどもたちのセレクション

会場
平塚市美術館
会期
7/2(土) ~ 9/19(月・祝)

林敬二《貌の遠近法》画像

林敬二《貌の遠近法》 2007年 平塚市美術館蔵

過去に実施した展覧会鑑賞ツアーで、
こどもたちが興味や反応を示した
平塚市美術館の所蔵品を紹介する展覧会。

東京の西南50kmに位置し、江戸時代には東海道の宿場町のひとつとして栄えた平塚市。ここに美術館が誕生したのは1991年3月だった。以来 “湘南の美術・光” をメインテーマとし、太平洋を望む素晴らしい環境で国内外の優れた美術を紹介してきた。同時に、創造や学びの意欲を刺激することを目的にさまざまな事業をおこなっている。そうした事業のひとつが、子どもたちを対象とした展覧会鑑賞ツアーだ。

平塚市美術館外観

平塚市美術館

7月2日から同館で開催される特集展「気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション」は、過去に実施した展覧会鑑賞ツアーで、子どもたちが興味や反応を示した所蔵品を紹介する展覧会。2015 年に開催した「気になる!大好き!これなぁに?赤ちゃんたちのセレクション~春の所蔵品展~」の第2弾となる。

木村一生《Libido 67》画像

木村一生《Libido 67》 1972年 平塚市美術館蔵

乳幼児とその保護者向けの展覧会鑑賞ツアーを、2012年から定期的に実施している平塚市美術館。これは、乳幼児と美術作品との出会いの場を用意し、美術鑑賞を通じて親子のコミュニケーションを図ることを目的としたプログラムである。このツアーでは、いわゆる一般向けの展覧会を鑑賞。保護者には、自分の子どもがどの作品にどのような反応を示したのかを記録してもらっているという。

大河内信敬《薔薇》画像

大河内信敬《薔薇》 制作年不詳 平塚市美術館蔵

現在までに参加した約1000人分の記録を分析すると、興味深い結果が見えてくる。乳幼児たちは、カラフルな作品や動物の作品など、いかにも子どもが喜びそうな作品に反応するだけでなく、大人が難しくて近寄りがたいと感じる抽象画、地味な印象を受ける作品にも反応を示すのだ。また、子どもは発達段階に応じた独自の視点を持っているため、美術鑑賞は小さな子どもにはまだ早い、難しいなどということは決してない。文字を読むことのできない小さな子どもは、作品そのものから何かを感じ取り、それに対しリアクションを取る。そして、その言葉や態度は、意外なことに作品の本質をついていることがあるのだ。自由に、そして純粋に作品と向き合って鑑賞しているといえるかもしれない。
以上の分析をふまえて、2015年から現在までの鑑賞ツアーの結果をもとに、大人の先入観を除き、乳幼児が多く興味反応を示した作品を紹介する今回の特集展が企画された。

近藤弘明《幻光―御感の藤―》画像

近藤弘明《幻光―御感の藤―》 1987年 平塚市美術館蔵

展示作品の横には、乳幼児の反応や言葉、保護者のコメントを紹介するパネルを掲示されるので、自分に身近な子どもと他の子どもたちの反応を比較してみてはいかがだろうか。また、乳幼児を連れて展覧会を鑑賞するポイントも紹介されるので、参考にしてほしい。

深堀隆介《緋奈々》画像

深堀隆介《緋奈々》 2018年 平塚市美術館蔵

この展覧会を観れば、子どもたちの新鮮な反応とともに美術作品を鑑賞する楽しさを感じ、かけがえのない時間を共有できるのではないだろうか。

[information]
気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション
・会期 2022年7月2日(土)~ 9月19日(月・祝)
・会場 平塚市美術館
・住所 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
・時間 9:30〜17:00 ※入場は16:30まで
・休館日 月曜日(ただし、7月18日、9月19日は開館)、7月19日(火)
・観覧料 一般200円、高大生100円、中学生以下無料
※毎週土曜日は高校生無料
※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1名は無料
※65歳以上の平塚市民は無料、市外在住者は3割引(年齢・住所を確認できるものが必要)
・TEL 0463-35-2111
・URL https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

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