「美術屋・百兵衛ONLINE」でコラム「心鏡」(最新号の#10は4月13日公開)を連載中の現代アーティスト、小松美羽。そんな彼女の個展「小松美羽展 〜霊性とマンダラ〜」が、長野県長野市にある善光寺史料館で6月20日(月)まで開催されている。
この展覧会は七年に一度おこなわれる「善光寺前立本尊御開帳」を記念して開催されるもの。善光寺の仁王像と小松の生まれ故郷である信州の自然をモチーフにした作品や、昨年9月の善光寺でのライブペインティングで平和への祈りを込めて描かれた絵画など、11点が展示されている。
善光寺の本尊である「一光三尊阿弥陀如来」は、ひとつの光背の中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩が並ぶ、善光寺独特の姿をしている。654(白雉5)年以来、絶対秘仏とされており、住職でさえその姿を直接拝むことはできない。鎌倉時代には御本尊の代わりに、まったく同じ姿をした「前立本尊」が造られた。それも普段は御宝庫に安置されているが、七年に一度の御開帳の時だけ本堂に運ばれ、特別にその姿を拝むことが叶うのだ。
会場となる善光寺史料館は、善光寺の境内にある霊廟「日本忠霊殿」内に設けられた、寺所蔵の什物を展示する場所である。ちなみに忠霊殿は、戊辰戦争から太平洋戦争までの英霊240万余柱を祀る日本唯一の仏式霊廟として1970(昭和45)年に完成した。日々祈り、瞑想しながら制作を続ける小松の作品に込められた感受性や霊性を、鑑賞者が受け取るための最適な場所だと言えるのではなかろうか。
[information]
小松美羽展 〜霊性とマンダラ〜
・会期 2022年3月25日(金)~6月20日(月)
・会場 善光寺史料館(日本忠霊殿)
・住所 長野県長野市大字長野元善町491-イ
・電話 026-234-3591(代)
・時間 6:30~17:00
・参拝料 一般300円、高校生100円、小中学生・未就学児無料
・休廊日 無休
・URL https://www.zenkoji.jp(善光寺公式サイト)
https://miwa-komatsu.jp(小松美羽公式サイト)